ディーラーさんと、町の板金工場はどっちが塗装がきれい?
2023/06/16
ひと昔前は、ディーラーさんに板金塗装を依頼すると、ディーラーさんがかこっている下請けの町の板金工場にお仕事が流れて、町工場がすべて引き受けておりました。
では、今はどうか? 大手自動車ディーラーは、自社で板金塗装工場を運営しております。(一部ディーラーは今まで通り、町の板金工場に依頼してます)
こういう形態を、『内製化』といいます。 外車ディーラーも内製化は進んでおります。
では、本題。ディーラーの内製化工場と、一般の町の板金塗装工場で仕上がりの差はどうなのでしょうか?という質問。
内製化工場は、設備に一定の基準があります。資本がありますので、基本的にどんな修理にも対応できる設備は整っているといっていいでしょう。
内製化工場で務めたことがないので正確にはわかりませんが、仕上がりの完成度のチェック基準も高いと思います。 とくに外車は。
町工場はどうか?導入している設備は、各工場で差があります。塗装するブースも数千万のものから、数十万のものまであります。扱う車種によって使用する塗料を
使い分けているところもありますが、いい塗料を使用している、水性塗料を使用している工場は、比較的高価な塗装ブースを導入しております。
高価なブースは、塗装中のチリやごみの混入がすくないため、磨き作業に手間をかける必要がない、いいクリヤーを使用できます。
いいクリヤーは、経年劣化が起きないほか、艶がいいのと、硬いため細かな傷がつきにくい、などのメリットがあります。
安価な塗装ブースは、塗装中にチリやごみがつきやすく、塗装後の磨き処理に手間がかかってしまいます。磨き処理(チリやごみをはじいて、コンパウンドで磨く作業)
をしすぎると、せっかく塗り上げたクリヤーの肌が落ち、安っぽくなってしまいます。また、この磨き処理を素早く処理したいがため、硬いクリヤーより磨きやすい
クリヤー(固くないもの)を使うようになります。
なんで、こんな説明をかいたのか?と申しますと、塗装中につくチリやごみ、これが多い工場と、少ない工場で、塗装の出来がかなり決まります。
いい技術者ほど、塗肌(クリヤーの肌)を整えたがります。修理したパネルと、修理していないパネルでクリヤーの肌に違和感がでるのを嫌うのです。
塗肌を大事にするということは、イコール、塗装中につくチリやごみを嫌うのです。磨き作業で塗肌を崩したくないのです。
チリやごみの混入がすくない塗装環境では、いいクリヤーを使用できる、と先ほど申しましたが、いいクリヤーを使用している工場には下手な塗装技術者は
いない、といっても過言ではないでしょう。
チリやごみの混入の多い環境での作業になれた技術者は、硬い、いいクリヤーをあまり使いたがりません。磨き処理が大変になるからです。そういう環境で塗装した
パネルは大体が、塗装していないパネルとのクリヤー肌との違和感があります。また、経年劣化も起きやすいです。
じゃあ、ディーラーさんと町の板金塗装工場ではどっちが塗装がきれいなの?という答えですが、安定しているのはディーラーさんでしょう。
上記の通り、資本があるので、いい設備(高価な塗装ブース、高価な塗料)を導入してます。完成、納車前のチェックも町工場より厳しいでしょう。
ただ、その分、修理費用が町工場より高いことが多いです。各ディーラーさんの見積書をみてきた感想です。
修理費用がいくらかかろうが、とにかくばっちり仕上げてほしい!お金と時間はおしまない!という方は、まっすぐディーラーさんにもっていくといいです。
いやいや、仕上がりにはそれなりにこだわりたいが、できるなら費用は下げたい・・・という方は、インターネットでいろいろな板金塗装工場を精査すること
になります。板金塗装工場のHPには、かなりの確率で設備、使用している塗料を掲示しておりますので、そこは確実に抑えたいですね。
ただ、HPには高価な塗料を使用していると掲示しているにもかかわらず、実際に使用しているクリヤーは安いもの・・・という工場は多々存在します。
また、高価な塗装ブースも、メンテナンスをきちんとしていないと、チリやごみは混入します。HPだけで、きれいな塗装をしてくれる工場を見抜くのは
至難の業かもしれません。
僕がよく昔からブログなどで述べているいい基準に、入庫している車のレベルが比較的高い工場、を選ぶべし!という判断基準があります。
なぜか?と申しますと、やはり、高級車は、国産の普通レベルの車より、塗装のレベルが高いのです。とくに、クリヤーの質は外車の方が高品質です。
こういう車が多く入る工場は、必ず同じクリヤー肌で塗装できる高品質のクリヤーを使用しておりますし、高品質のクリヤーを使いこなせる技術者がおります。
工場によっては、出来上がって納車する前の車両を見学させてもらえるところもありますので、修理内容を教えてもらって、実際に出来上がった車の塗装面を
見学する、というのもいい方法です。出来上がりに自信のない工場は、まず出来上がった車を見せる、なんてことはしません。
いかがでしょうか?
店主
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